綺多羅

QIDÂRA


亡き王朝に寄せる狂詩曲
Rhapsody for Lost Dynasties

 

(2017)

 


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月下弾詠・序 Prologue under the Moon

艸乃道 Steppe Road
水之宮 Oasis Palace
沙乃道 Desert Road
火之宮 Fire Palace
山乃道 Mountain Road
磐之宮 Rock Palace
岸乃道 Coast Road
風之宮 Wind Palace
濤乃道 Wave Road

月下弾詠・間 Interlogue under the Moon

行列 Procession
舞踏 Dance
秘儀 Arcana

月下弾詠・結 Epilogue under the Moon

 

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この作品は、ギタリスト・大萩康司氏の委嘱に応えて作曲した。最初に打診を頂いたのは2015年早春、程なくしてこれだという着想が訪れたが、そこから じっくり想を温め、二年越しの2017年晩春に完成した。天降る洗練と土烟る野趣が混淆する氏のギターの響きに導かれて生まれて来たのは、我が風土の古層 にじっとり沁み込んだ西域からの血脈を辿る、いわばもうひとつのシルクロード/ユーラシア横断の音の旅。
曲は“月下弾詠”と名付けられた三つの軛 (くびき)(序・間・結)で区切られた、大きな二つの場面群(楽章)から成る。第一群は二重螺旋の変奏曲…五道(艸沙山岸濤)四宮(水火磐風)を渉り巡 る、遥かな旅の古物語(ふるものがたり)。第二群は異形の序破急…朽ち果てた廃墟の月下に展く幻の行列・舞踏・秘儀。
已むこと知らず滔々と流れる語り・祀り・踊りのさなか、胡乱(うろん)極まる音声(おんじょう)が、ギターの響きを突き破って溢れ出す。

[委嘱]

 

大萩康司

 

 

[初演予定]

 

2017年12月10日 東京都 東京文化会館小ホール

 

 

(C)HIRANO Ichirô 2017