鳥ノ遊ビ

TORI no ASOBI
 
〜木琴ト 奏者ノ為ノ 物語〜
Ballad for Xylophone & Player

(2017・酉)


1° 兆シノ鳥 Kizashi no Tori

2° 戯レノ鳥 Tawamure no Tori

3° 夢ミノ鳥 Yumemi no Tori

4° 報セノ鳥 Shirase no Tori

5° 惑イノ鳥 Madoi no Tori

6° 嘆キノ鳥 Nageki no Tori

7° 祈リノ鳥 Inori no Tori

8° 醒メノ鳥 Mezame no Tori

9° 歓ビノ鳥 Yorokobi no Tori

 


「鳥ノ遊ビ 〜木琴ト奏者ノ為ノ物語〜」は、木琴奏者・通崎睦美氏の委嘱に応えた作品である。2015年の暮に打診を受けて明くる2016年の早春、毎朝庭の白樫に飛来し束の間遊び呆けては去って行く二羽のメジロの声に突つかれるうち着想が訪れ、一年越しの2017年春に完成。通崎氏が衣鉢を継ぐ故・平岡養一氏がデビューリサイタルで用いたのと同型の小木琴ディーガン・スーパーライトウェイト・ザイロフォン、その素早い響きとそれを奏でる通崎氏の音/姿に導かれるように産まれて来た。副題"木琴ト奏者ノ為ノ物語"には、互いが互いの語り部であり登場人物でもあるような、通崎氏とその木琴に寄せる曲、といった想いを籠めて。
曲は連続する小さな九つの楽章から成る。遊び戯れ、呼び交し、縄張りを告げ、危機を報せ、喪失に驚き、不在を嘆き、そして甦る太陽を寿ぐ…人より遥かに短かな生のさなか、様々な場面で囀り鳴かれる、色とりどりの"調べ"に浸された小鳥たちの歌を生地として一遍の物語を編んだ。その祖型はギリシャ神話のオルフェウス、いわば鳥のオルフェウス物語である。とりわけ一種のカデンツァである〈8° 醒メノ鳥〉は、雀(すずめ)・鶯(うぐいす)・燕(つばめ)・磯鵯(いそひよどり)・不如帰(ほととぎす
)・郭公(かっこう)・鳶(とび)といった日本の風土に親しい鳥たちが次々と口々に鳴き交わすクオドリベット、大先達オリヴィエ・メシアンへのささやかな応答(レスポンス)でもある。

 

註:タイトルにある"鳥ノ遊ビ"は、古事記の出雲國譲神話にも登場する言葉。元は鳥を捕って遊ぶ事をいう。美保崎にて鳥の遊びをしていたコトシロヌシが父オオクニヌシに召し出され、大和への恭順を進言し青柴垣にて海に沈む時、天に向かって打った祈リ/呪イの所作を模して曲中に封じた。

 

 [委嘱]

 
通崎 睦美
 
 

 [編成]

木琴

 


[演奏記録]

 

2017年6月17日 東大阪市 司馬遼太郎記念館 (木琴:通崎睦美)※抜粋 2° & 8°

 

[献呈]

 

通崎睦美 ト 木琴 ニ

 

 

 

 (C)HIRANO Ichiro 2017