いそぽのふゎぶらす

ESOPO NO FABVLAS

-語りと木管五重奏による、天草版 伊曾保(イソップ)物語-
-Aesop's Fables in Amakusa-style for Narrator & WindQuintet-


(2011)


[ca 40 min.]



新作「いそぽのふゎぶらす」は一種の音楽物語です。

いそぽ(ESOPO)」とは誰もが知るあの“イソップ”、

「ふゎぶらす(FABVLAS)」とは寓話(たとえばなし)の事。

 

安土桃山期、

九州・天草(あまくさ)のキリシタンの学校(コレジヨ)で出版された、

羅馬(ローマ)字日本語の同名書に基づきます。

話し言葉によるその語り口は今の狂言に通じるもので、

動物達の愉快な寓話の後に、

下心(したごころ)”という垂訓(すいくん)が付くのも天草版の特徴。

 

新作の構成は、

9曲から成る組曲に6つの物語が組み込まれる、

 という仕掛。

そのあちこちに動物達の鳴き声(オノマトペ)が潜んでいるかも知れません。

素晴らしき演者達による“日本のイソップ”、

世の真実を語る不撓不屈(ふとうふくつ)のユーモアを胸一杯に吸い込んで、

日々の(うれ)いを吹き飛ばして頂ければ本望です。

(〜初演時プログラムノートより)

 

* * *

 

No.1:入場樂 Intrada

 

前口上 Prologue

 

Ritornello I:牧歌 Idyll

 

蛙と鼠の事 Cairu to Nezumi no Coto

 

No.2:常動曲 Perpetuum Mobile

 

烏と狐の事 Carasu to Qitçune no Coto

 

No.3:音痴節 Untuned Song

 

狼と子をもつた女の事 Vôcame to Co uo motta Vonna no Coto

 

No.4/Ritornello II:子守歌 Lullaby

 

獅子と馬の事 Xixi to Vma no Coto

 

No.5:諧謔曲 Scherzo

 

野牛と狼の事 Yaguiǔ to Vôcame no Coto

 

No.6:天手古舞 Warped Dance

 

老人の事 Rǒjin no Coto

 

Ritornello III:哀歌 Threnody

 

後口上 Epilogue

 

No.7:退場樂 Extrada

 

 

[委嘱]
 
ザ・フェニックスホール
 
 
[編成]

Nar
Fl/Ob/Cl/Hrn/Bsn

[演奏記録]

2011年11月20日 大阪市 ザ・フェニックスホール
(Nar:茂山童司/アルボラダ木管五重奏団)
 

 
 
 
 
 
 
 
 
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